PAK FAは、ロシア語のPerspektivnyi Aviatsionnyi Kompleks Frontovoi Aviatsyi (キリル文字表記:Перспективный Авиационный Комплекс Фронтовой Авиации:英語でFuture Air Complex for Tactical Air Forcesの意)の頭文字。ロシア空軍で旧式化しつつあるMiG-29や初期型のSu-27の代替となる戦闘機を開発するMFI 、LFI、LFS等の計画に変わって開発・製造される第5世代ジェット戦闘機プロジェクトの名称
LFS計画中止の直後に後継計画として2001年に開始され、ミコヤン、スホーイ、ヤコヴレフの設計局がデザイン案を提出し、競合の末スホーイ案が採用され、ミコヤン、ヤコヴレフは製造の15%を受け持つのみとなった。
スホーイが提案した機体はSu-50、あるいはスホーイ内部の設計名称でT-50とも呼ばれ[1]、アメリカ軍のF-22やF-35の実用化に対抗すべく、実機の2009年の初飛行を予定している。
動向
ロシア空軍総司令官アレクサンドル・ゼーリン大将は、2007年12月12日、国営ロシア・ノーボスチ通信社とのインタビューで、第5世代戦闘機の開発は、設計段階まで完了、設計図面は、新世代の航空機の試作機を製造する工場へ送られたと語った。また、スホーイ社総代表ミハイル・ポゴシャンは、「第5世代の多機能軍用機のテストは2009年に開始され、2015年までに量産機の生産を始める事を計画している」と語った。
各種報道
朝鮮日報は、2007年12月17日付で「Su-50はF-22をしのぐだろう」と題する記事をウェブ上に掲載した。同記事では、PAK-FAが「レーダー波を吸収してしまう低温プラズマ膜を機体の周囲に形成する方式を採用」していると書かれているが、朝鮮日報が引用したと主張する国営ロシア・ノーボスチ通信社の元記事では、そのような事は一言も書かれておらず、朝鮮日報の権景福(クォン・ギョンボク)特派員が勝手に付け加えたものである(そもそも、元記事では「第5世代戦闘機」としか書かれておらず「Su-50」とは表記されていないし、ロシア空軍総司令官アレクサンドル・ゼーリン大将は、「Su-50はF-22をしのぐだろう」とは一言も発言していない)。
デザイン
PAK FAは、航空関係者などの討論や議論の対象となっている。デザインは正式なものか不明だが尾翼やテイルコーンを除き、ほぼF-22に類似している。
PAK FAの仕様に関する信頼できる情報はまだ少ないが、アメリカのF-22に対抗するために高度なステルス性とアフターバーナー無しでのスーパークルーズの実現を目指していると伝えられる。また、Su-47と1.44の技術を取り入れていると言われている。
また、ロシア空軍などの関係者によると、機体には複数の空対地ミサイル、空対艦ミサイルを搭載でき、レーダーにはAESA(Active Electronically Scanned Array:アクティブ式電子走査アレイ)を組み込むといわれている。エンジンには推力14.5t程度のターボファンが2基使用されるという。
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フェーズドアレイレーダー(Phased Array Radar、位相配列レーダー)とは平面上に多数の小さなアンテナを備えることで機械的な首振り動作を必要としないアンテナである。パルス・レーダー、パルス・ドップラー・レーダー等のアンテナとして用いられる。更に受信信号をデジタル処理することによって多数の受信ビームを作り、方位・距離を測定するDBF(デジタル・ビーム・フォーミング)にも応用される。
従来のレーダーのようにアンテナを上下左右に動かすのではなく、平面上の多数の小さなアンテナからそれぞれ放射する電波の位相を電気回路で制御することで、これらのアンテナからの電波を合成して、旋回・俯仰する走査方法を用いて観測するレーダーである。そのためレーダーアンテナに機械的な駆動装置が必要がない。平面上の小さなアンテナのそれぞれに電波送受信機が実装されているものがアクティブ式で、小さなアンテナの裏側に位相変換器と呼ばれる仕組みが電波を分配する役割の導波管に隣接して備わっていて、これらがただ1つの電波送受信機からの電波を分配しながらそれぞれのアンテナに合わせた分の位相をずらすものがパッシブ式である。パッシブ式の受信は送信の逆方向となるだけである。アクティブ式はパッシブ式に比べて高い技術力が要求されるが、パッシブ型に比べて小型化が可能である。
動作原理についてはホイヘンスの原理を参照
米軍では、フェイズド・アレイ・レーダーと言えば、パッシブのことを指し、アクティブのものはAESA(Active Electronically Scanned Array)と呼んでいる。
主なフェーズドアレイレーダー
AN/SPY-1:イージスシステム用の艦載パルス・レーダー(パッシブ式)。
APER:ドイツ・オランダの防空艦ザクセン級フリゲート及びデーゼーヴェン・プロヴシェンに搭載されているアクテイブフェーズドアレイレーダー。4面でイージスより多い同時32目標対応可能で、イルミネーターとしても1面で8目標を照射可能な「射撃指揮・照射兼用レーダー」である。
OPS-24:日本が開発した世界初の艦載用アクティブ・フェーズドアレイレーダー。あさぎり型護衛艦の「はまぎり」以降に搭載。むらさめ型護衛艦以降には、発展型のOPS-24Bを搭載(アクティブ式)。
FCS-3:日本が開発した海上自衛隊の艦載用パルス・レーダー。射撃指揮専用で照射はできず、対処可能目標数は公表されていないがイージスを下回ると見られている。ひゅうが型護衛艦と5000トン型護衛艦に搭載予定(アクティブ式・射撃管制装置の一部)。
FPS-5:日本の防衛庁(現・防衛省)が開発した地上設置型の警戒管制レーダー。旧称「FPS-XX」。将来警戒型で、ミサイル防衛の要となる。直径18mのドームに亀甲模様が刻まれた特異な形状から、通称「ガメラレーダー」とも呼ばれる。(アクティブ式)。
HQS-103:海上自衛隊の哨戒ヘリコプターSH-60J搭載の捜索用レーダー。
N007 S-800:ロシア空軍のMiG-31に搭載されるレーダー(パッシブ式)。世界で初めて量産戦闘機に装備されたパッシブ式フェーズドアレイレーダーである。
RBE2:フランス空・海軍のラファール用のパルス・ドップラー・レーダー(パッシブ式)。その他、アクティブ式のRBE2-AAも開発。
J/APG-1:航空自衛隊のF-2用のパルス・ドップラー・レーダー(アクティブ式)。世界で初めて量産戦闘機に装備されたアクティブ式フェーズドアレイレーダーである。
AN/APG-63(V)2:アメリカ空軍のF-15用のパルス・ドップラー・レーダー(アクティブ式)。一部のMSIP-2改修機に搭載される。その他、AN/APG-63(V)3、(V)4も開発。
AN/APG-77:アメリカ空軍のF-22用のパルス・ドップラー・レーダー(アクティブ式)。
AN/APG-79:アメリカ海軍のF/A-18E/F用のパルス・ドップラー・レーダー(アクティブ式)。Block 2以降の機体に搭載され、搭載機は本レーダーを用いた簡易的な電子妨害を行う事も可能となる。
AN/APG-80:アラブ首長国連邦に輸出されるF-16E/F用のパルス・ドップラー・レーダー(アクティブ式)。
AN/APG-81:アメリカ海・空軍及び海兵隊、イギリス海・空軍等で運用予定のF-35に搭載されるパルス・ドップラー・レーダー(アクティブ式)。F-22用のAN/APG-77をF-35用に改修したもの。
AN/APY-2:アメリカ空軍のE-3や航空自衛隊のE-767等の早期警戒管制機用パルス・レーダー(パッシブ式)。
SABR:Scalable Agile Beam Radarの略。ノースロップ・グラマン社がプライベートで開発中のAESA。フル機能を備え、容易に既存のF-16へ搭載改修が可能としている。